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2022年01月23日
あかいカニの家①
雲垂れて 路地に湧き出す 蟹の赤 くもたれて ろじにわきだす かにのあか ① そのころ十才になったばかりの浩太こうたの一家は空襲が激し...
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2022年01月22日
今月の俳句「十二月」2021
上げ底の月ぞ 師走は 床屋行く 十二月も半ばを過ぎると 今年も終わりという感がつよくなる。 二十日を過ぎるともう新たに仕事を始めること...
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2021年12月15日
短編ファンタジー集|天ぷらしぐれ「川鯉がザブ」④
雨を吸ったせいか少し前から清水老人の服はさかなの臭いが強くなっていることは温郎も感じていました。 「これもしかしてさかな...
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2021年12月10日
今月の俳句「十一月」2021
シーソーに 小鳥留まりて 山の町 小鳥は 秋の季語。 人は幸福と不幸のシーソーに載って 少しでも幸福に傾きたいと願っている。 しかし小...
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2021年11月15日
短編ファンタジー集|天ぷらしぐれ「川鯉がザブ」③
温郎はすっかり話に引き込まれていました。知らないうちに口を大きく開けて息を話しに集中していました。清水老人の話を聞いてい...
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2021年11月15日
今月の俳句「十月」2021
台風の 風豹の子ら 窓に鳴く 台風当日の窓からはヒュヒューと風の音がしきりに聞こえてくる。 それが私には猫科の動物の子らの声のようにき...
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2021年11月02日
短編ファンタジー集|天ぷらしぐれ「川鯉がザブ」②
ところが清水老人は「私はたぶん今日あたりいなくなるからね。そうしたらこのベンチは温郎、おまえが引き継げばいい。」と言うの...
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2021年10月11日
今月の俳句「九月」2021
明るさへ 伴走者となでしこと 観客と 2021年9月5日 日曜日 東京パラリンピック最終日に行われたマラソンの最後を飾った 視覚障害 ...
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2021年09月24日
短編ファンタジー集|天ぷらしぐれ「川鯉がザブ」①
川鯉に ざぶと裂けたる 梅雨の空 かわごいに ザブとさけたる つゆのそら そこは外房の海辺の小さな町に流れ...