9.『あけびジャムパイ』歌詞と解説

 

「あけびジャムパイ」

山の上の喫茶店は
かわいい　いのししの娘さんが
つつじの花のエプロン姿
道に迷った旅人を
熱いトルココーヒーと
はにかみ笑顔で迎えます
No problem, ウウウ…everything’s okay.
ここで一息　帰りは一本道よ
ふっと　疲れも飛びます
すっと　心が軽くなります

山の上の喫茶店は
きれいな山猫　おかみさんが
百発百中　星占い
愛に迷った恋人たちを
熱いトルココーヒーと
謎めく笑顔が迎えます
No problem, ウウウ…everything’s okay.
霧が晴れるまで　ここでお待ちなさい
ふっと　涙がこぼれます
すっと　心が軽くなります

山の上の喫茶店は
時の十字路　獣道
ゆっくりゆっくり　うぐいす時計
今日もブクブク　コーヒー鍋
熱いトルココーヒーと
あけびジャムパイで迎えます
No problem, ウウウ…everything’s okay.
明日のお客は　昨日のあなたでしょう
ふっと　時が止まります
すっと　心が軽くなります

そよそよ笹の葉　木漏れ日揺れて
ブクブク　コーヒー　泡立ちました

一口飲めば　包まれてます
いとしく　なつかしい　その香り
きっと生まれる前から　包まれていた優しさ
No problem, ウウウ…everything’s okay.
風よハラハラ　木の実を降らしましょう
ふっと　思い出せそうで
すっと　心が軽くなります

No problem, ウウウ…everything’s okay.
(問題ないよ、全ては大丈夫だ)

 

宮沢賢治の「注文の多い料理店」に出てくる山猫のレストランは、お客の髪を白髪に変えてしまうほどの恐ろしい料理店でしたが、こちらの山猫のおかみさんがやっている山の上の喫茶店は、道に迷った旅人を優しくもてなすお店です。
獣道をたどって訪れたお客さんを、熱いトルココーヒーとあけびジャムパイで迎えます。店の壁にあるのは鳩時計ではなくうぐいす時計がゆるやかな時を刻んでいます。イントロで聞こえてくるさわさわという音は、竹レインスティックの音です。また、獣らしい鳴き声が二度、これはツシマヤマネコの声でした。