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2022-07-28

11.『夜はサラサラ』歌詞と解説

 

「夜はサラサラ」

夜はサラサラ 河のように流れて
こころ浮かべて 木の葉のように漂って
どこからか 百合の白い香りがこぼれて
闇と交わり 夜のこころ深めてく

夜の空気を ひとり抱きしめて
時の流れに身をひたす

昨日の涙と 明日のあこがれを
星と散りばめて
時の岸辺に舫いを解いて船を出す

夜はサラサラ 河のように流れて
こころ沈めて 小石のように洗われて
今宵 夜汽車が ホロリホロホロ聞こえて
まるで幌馬車 連ねているみたいにね

夜の空気を ひとり抱きしめて
時の流れに 身をまかす

なにも残せず 終えた一日
それも時刻表
星の寝息をいくつ数えて汽車を待つ

夜はサラサラ 流るる河よ
サララ サラル ララ

人には夜におかれた自分を頼りない孤独な存在のように想える時と、それとは反対に自分の意識が今を充分に満たしていると感じられる夜があります。
そんな夜は充足しているという感覚がそこにはあります。
自分が夜の空気を独占しているという感覚があります。
そういう夜の成分は濃密で、液体の様にサラサラと流れていくのです。

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