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2020-01-18

2. さみだれ超えて

 

さみだれ超えて  詞・曲 わららべ尚道

さみだれ超えて 会いに来ました
田んぼの海を超えて来ました
あなたの心の タンスを開いて
夏色洋服 虹にかけます
さみだれ超えて 会いに来ました
田んぼの海を 超えて来ました
器用な答えなど 言えないけど
まっすぐ目を見て うなずいてあげます

木枯し超えて 会いに来ました
落ち葉のシャワー 超えて来ました
あなたの心のポストに 一つ
春咲き球根 そっと置きます
木枯し超えて 会いに来ました
落ち葉のシャワー 超えて来ました
すばやく答えなど 出せないけど
静かな心で 丁度間に合います
静かな心で 万事間に合います

 

この曲を作ったきっかけはいすみ市にある知的障碍者の施設での演奏会でした。

自己紹介も兼ねてなにか新しい歌を作って行きたいと思ったのですが、

なにぶん初めて行くところなのでなかなかイメージがわいて来ません。

そのときたまたま私の所属している御宿町の障碍者福祉会の会合があって、

そこに軽い知的障害のMさんという若い女性が会の人と楽しく談笑しているところを見て、イメージがわいてきました。

しかししばらくはこの歌がMさんをイメージして作ったことを話すこともないままに時が流れて、

2019年にこの曲を納めたアルバム「なぎさのシエスタ」を完成したとき、

彼女にCDをプレゼントすることができました。

同年の福祉会のクリスマス音楽回でこの歌ができた経緯を話して、Mさんの前で歌うことができました。

その後Mさんが持ち帰ったCDを聞いたお母さんから電話をいただいて、家族全員で喜んでもらえたことがわかりました。

ささやかなことですが、人のこころに小さな灯かりをともしていくのが歌を作る意味なのかもしれないと気づかせてくれたのがこの「さみだれ超えて」という歌でした。

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