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2022-07-19

1.『風のスープ』歌詞と解説

 

「風のスープ」

五月の青くすきとおった風を
胸いっぱいいただきます 風のスープ
太陽 トマトに さざなみ レタス
そえていただきます おいしいサラダ

名もなき風が いくすじの渦となって
雲の峰から降りて来る

風が吹いていたよ 港から青空市場
待ち続けた夢も恋も 知らん顔してさ
風が吹いていたよ なぎさから記念塔へ
悲しみの船もいつか 希望と帆を張って

五月の青くすきとおった風を
胸いっぱいいただきます 風のスープ
太陽 トマトに さざなみ レタス
そえていただきます おいしいサラダ

名もなき風が いくすじの川となって
海に大地に吹き渡る

風が吹いていたよ 通りすがりささやいてた
ほんとうは必要なもの運んでいるのにね
風が吹いていたよ 目には見えないわたしたち
手を伸ばせばいつもそこにある 風のスープ

 

この作品は宮沢賢治の童話集「注文の多い料理店」の序文にある、以下の文章からイメージをいただいて作りました。
『わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとおった風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。
またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、宝石いりのきものに、かわっているのをたびたび見ました。わたくしは、そういうきれいなたべものやきものをすきです。これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、虹や月あかりからもらってきたのです。』
この詩的な文章から「五月の青くすきとおった風を 胸いっぱいいただきます 風のスープ」というフレーズが生まれ、それを受ける形で「太陽 トマトに さざなみ レタス そえていただきます おいしいサラダ」と続けました。

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